私には小学1年生の子供がいる。
朝の通学中、時間がないのに、川の魚を眺めたり、田んぼの横に座ってみたりする。
「急げ、遅刻するぞ」っと言おうとするが、息子にはそれよりも大事なものが、
感じるものがあるのだろうと思い、私も立ち止まる。
そうして子供のように歩いてみたり、立ち止まってみたりすると、
今まで見えていなかったものの大切さに気づかされる。
いかに自分が乱暴な生き方をしていたのかが身に染みる。
震災や自然災害から、コロナなどの社会問題まで、今世界は大きな転換期を迎えている。
そんな孤独や閉塞感を感じやすい時代だからこそ、人と人・食・自然・アートなど、
多様な価値観のコミュニケーションを担うこの場所で、子供のように少し立ち止まってみてほしい。
豊かさを再解釈することで拡張した家庭的なおもてなしを、つまりは私たちが考える懐かしい未来を提供し、
そこでお客様の笑顔を見ることが出来れば、これ以上の喜びはありません。
五風十雨のこと
- 最重要事項
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私どもが暮らす母屋には躾の行き届かない息子二人がおります。
宿を営むこの場所で息子二人と夫婦で暮らし、暮らしを続けながら宿を営むことにしました。
お客様の宿泊棟は母屋から池を隔て小高い場所にあり、境は確保し干渉が起こらないよう配慮しておりますので何卒ご理解いただきます様お願いいたします。
- これまでとこれから
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ここの建物はもともと、1842年(天保13年)から先祖が暮らしを営んできた庄屋でした。
敷地内には200年守り継がれてきた長屋門、母屋、米蔵、庭園。
登録有形文化財の指定をいただいたその米蔵を2005年に改築し、フレンチのレストランを始めました。
店主はここの8代目にあたります。そして、これからの200年も変わらず守り継いでいくという想いと、
お客様の1日をまるごとおもてなししたいという想いが、背後にある山に
宿泊施設を造るという形になりました。古くからあるものと、新しく作ったもの。
中程に架けられた石橋を渡り、
どうぞあちらやこちらをお愉しみ下さい。
- 名前の由来
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心の中も世の中も平穏無事がいい。
せめてこの地だけでも、時間がゆっくりと流れている場所でありたい。
そんな願いを込めて五風十雨という名前を選びました。
という理由も間違いではありませんが、
最後の決め手は、電話番号の下4桁が偶然にも0510だったという奇跡です。